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抗新型コロナ薬の治験進める地方病院の1億円施設に全米注目

ダイヤモンド・プリンセス号の乗客も受け入れた(C)日刊ゲンダイ

 このユニットが造られたきっかけは、2001年に起こった9・11アメリカ同時多発テロでした。その直後に炭疽(たんそ)菌入りの手紙が上院議員に送られるなど、生物兵器テロへの懸念が広がったため、ネブラスカ大学メディカルセンターでは、生物兵器テロをはじめ感染病を専門に治療する施設の建設と研究に踏み切ったのです。

 病院の空きスペースを改造して造った封じ込めユニットは、当初は何年もの間、使われることがなかったといいます。状況が変わったのが14年、アフリカでエボラ患者が大量発生した時です。エボラに感染して帰国したアメリカ人を受け入れた施設として一躍知られるようになりました。

 病院の敷地内には国内唯一の国立の検疫施設もあり、ネブラスカ大学メディカルセンターは新型コロナウイルス対策の最前線基地としてますます注目されそうです。

【写真ギャラリー】「ダイヤモンド・プリンセス」号から下船はじまる

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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