独白 愉快な“病人”たち

岸あさこさん 世界でもまれな乳がんで「終わった」と思った

岸あさこさん(C)日刊ゲンダイ

 入浴中、右胸にしこりの存在を感じたその瞬間、「ああ、やってしまった……」と思いました。あまりにも明らかなしこりだったので、乳がんだとピンときたからです。

 それは2年間のオーストラリア留学から帰国してすぐのこと。ヘルスケアに関係する学位を取り、福岡で何かヘルスケアに関わる事業を立ち上げようと考えていたところでした。

 病院で診察を受け、「乳がん」と診断されました。しかも組織を調べた結果、「初めて見る乳がん組織」と言われたのです。

 一般的に乳がんの70~80%はホルモンの影響を受けたホルモン由来のがんらしいのですが、私の場合はタイプが違ったようです。

「初めて見るなんて、そんなことあるの?」と診断を疑い、念のために別の病理医のエキスパートにもセカンドオピニオンをお願いしました。でも、その先生にも「僕も初めて見ました」と言われてしまい、「終わった……」と感じました。

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