■タンパク尿が出ていなくても腎臓が悪い可能性も
一方、いま指摘されているのが「糖尿病性腎臓病」です。英語では「DKD=Diabetic Kidney Disease」と呼ばれています。このDKDは、「糖尿病性腎症(Diabetic Nephropathy)」のような経過をたどらないものも含みます。「糖尿病が部分的にでも関係する腎臓病」と考えればいいでしょう。
つまり、従来は「腎機能低下=タンパク尿が出ている/クレアチニン値が高い/微量アルブミン値が高い」だったのが、DKDでは「微量アルブミンも尿タンパクも出ていないが、腎機能が悪い」ケースもあれば、「微量アルブミンも出ていて、タンパク尿も出ていて、腎機能が低下している」というケースもあるのです。むしろ前者のような、典型的な経過をたどらないケースが増えてきています。
進化する糖尿病治療法