■妻に叱咤され手術を受けた
さらに1年たったところで右頚部の皮下に腫瘤が出てきました。B大学病院耳鼻科で検査した結果、喉頭部の放射線治療域から外れたところにがんが再発していました。
担当医から、今度は「喉頭全摘と頚部リンパ節郭清術」を強く勧められました。「気管切開で声は出なくなるが、食道発声の訓練で話せるようになる。また、電気式人工喉頭(EL)というのがあって、舌や唇を動かすことで話ができる」と説明されました。
Rさんは、今度はとても悲観的になりました。
「診療もできない。生きている意味がない。この先を考えるとつらい。死にたい」
奥さんにそう打ち明けたそうです。
「何を言ってるのよ! 声が出ないくらいで……男でしょう?」
がんと向き合い生きていく