アメリカでも新型コロナウイルスの感染者が増える中で、CDC(米疾病対策センター)が感染予防策として手洗いとともに推奨しているのは、「顔を触らない」こと。全米のメディアも、「目、鼻、口を触る、頬杖をつくといった行為をやめるだけで感染リスクも下がる」と呼びかけています。同時にこれがどれほど難しいかも。
エレベーターのボタンや壁などに付いた新型コロナウイルスがどれほどの間、生き続けるかはまだはっきりわかっていません。
インフルエンザウイルスの24時間に比べずっと長く、金属やプラスチックなどの表面では最高72時間という説もあります。それを触った手で目や鼻、口に触ると、感染する確率が高くなるというわけです。
もちろん手洗いや手指の消毒が効果的なことに間違いはありません。問題は、手を洗った後にドアノブや携帯電話などに触れた瞬間、再び手にウイルスが付くかもしれないこと。
では、人間はどのくらいの頻度で顔に触るかというと、1時間に平均23回も無意識に触っているとの調査結果もあります。
無意識に顔に触るのは動物の中でも人間とゴリラなど霊長類に限られ、その理由はストレスやネガティブな感情のコントロールのためだそうです。
となれば、やめるのは不可能では……。そんな気もしますが、専門家はさまざまなアドバイスを発信しています。
「手で触る代わりにティッシュを使う」「手袋をする。布の上でウイルスが生き延びる時間はずっと短いため」「触りたくなったら手を組む、または指を鳴らすなどの別の行動を取る」「顔がかゆくても我慢する」など。また、メークしている人は顔を触る回数が減るという調査結果もあります。
いずれもそう簡単とは思えませんが、専門家は「あまり焦らず、悪い癖を直すつもりで気長に構えた方がいい」「同時に携帯電話や人が多く触れる場所をこまめに除菌するのも有効」とコメントしています。