独白 愉快な“病人”たち

すぐに余命を考えました…松崎悦子さんが語る印環細胞がん

夫の松崎好孝さんと(C)日刊ゲンダイ

 帰国後、家でジッとしていられなくなって、ステージに復帰したのが12月。術後4カ月でした。

 本当は病気のことは一切公表せずに、何事もなかったようにス~ッとステージに戻りたかったのですが、関係者のみなさんに「暗いニュースが多い中で明るい出来事だからご報告しましょうよ」と言われて、復帰初のステージでがんのことを公表したのです。

 一番恐れていたダンピング症状(小腸に食べ物が直接流れ込むことで起こる頭痛やめまい、発熱や嘔吐など)も軽くて本当によかった。あまりステージを離れてしまうと、ステージに立つのが怖くなって「もうこのままでもいいか」となるのが心配だったのです。

 病気をしてみて、応援してくださる人の心の温かさに気づきました。化学療法などで私よりもっと長くつらい思いをされている方もいらっしゃると考えると、「くじけてられない」と思いました。そして何より、「胃カメラ検査してみますか?」と言ってくれた先生に感謝です。あと1年放置していたらどうなっていたことか……。

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