緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

急ピッチで進むワクチン開発で新型コロナの危険度が分かる

恐れることはない(中国・河南省の疾患予防コントロール・センターで、抗エボラ出血熱「レムデシビル」で最終段階の臨床実験を行う研究員) (C)ロイター/新華社

 同じく効果的なワクチンが完成していないHIVはレベル3で取り扱われるが、ウイルスの変異速度が速いことがネックになっている。さらに、ウイルスが増殖する際の仕組みがワクチンを作りにくくしているという。

「HIVは、細胞内に侵入するとその細胞のDNA自体を書き換えることで増殖していきます。いったん体内に入れると“治せない”状態になってしまうので、毒性や感染力を失わせた不活性ワクチンだったとしても、接種して万が一でも感染してしまうと取り返しがつきません。一方、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、まず細胞にくっついてから細胞内に侵入し、自身のRNAやDNAを複製することで増殖します。ウイルスを排除すれば感染症を発症しても一時的なものなので、比較的安全なワクチンを作れるといえます」(神崎浩孝氏)

 3月10日時点で日本では新型コロナウイルス感染症の患者446人(チャーター便帰国者およびクルーズ船の乗員・乗客を除く)中、死亡者は9人で、77人が退院している。無症状だった患者も52人いる。

 高齢者や基礎疾患がある人は別だが、過剰に怖がる必要はない。

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