緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

目からうつるは本当か? 中国では眼科医がバタバタ倒れる

中国・武漢の病院で新型コロナウイルスによる肺炎の患者の対応にあたる医療従事者(C)新華社=共同

 従来から、新型コロナと遺伝子の80%が同じSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染は、主に口、鼻の粘膜の飛沫への直接的、または間接的な接触により広がったといわれたが、保護されていない目からもSARSの感染が起こる可能性は指摘されていた。新型コロナウイルス感染症もまた、保護されていない目から感染する可能性があると考えられているのだ。

■手洗い、咳エチチケットに加え、目の防御も大切

 実際、日本眼科学会と日本眼科医会は先月27日に「新型コロナウイルス感染症と結膜炎について(国民の皆様へ)」という声明を出し、「手洗い、咳エチケット、体調管理の徹底に加えて、手で目を直接触らない」ように警告している。

「亡くなった中国の眼科医の先生方は新型コロナ感染者と正対していたわけで、患者さんの飛沫を直接目に受けた可能性が高い。とはいえ、これをもって患者さんに直接接する医療関係者や家族らの濃厚接触者すべてが、目を覆うゴーグルをかける必要があるとはいえません。しかし、コンタクトレンズをつけたり、はずしたりする際は、必ずその前に手をしっかり洗うことが必要です。花粉症では、花粉飛散のある季節には外出時にレンズ面の広い眼鏡をかけることが症状の軽減に役立つことが従来から指摘されてきました。市民が通勤電車など人混みの中に出掛けるときは眼鏡を使うようにするのもよいかもしれません」

 手洗い、咳エチケットの徹底管理に加えて、目のケアもやることだ。

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