遺伝子治療薬はここまで来ている

PCRだけではない 遺伝子はさまざまな検査に応用されている

写真はイメージ

 2018年12月に製造販売承認を取っている「ファウンデーションワン」という検査は、324種類の遺伝子の変化を次世代シーケンサーという新しい機器で検査して検出することで、複数のがんや抗がん剤に対する効き目の評価を一度に行うことができます。

 費用は56万円で高いと感じるかもしれませんが、一度にたくさんの遺伝子を検査できるということは、何度も検査をしなくて済むわけですから、患者の肉体的負担が少ないという点で優れています。

 このように、遺伝子は薬だけでなく検査でも応用されています。

 現在も開発が進んでいるので、今後ますます普及が進みそうです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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