ニューヨークからお届けします。

米国では新型コロナが老人ホームに蔓延 高齢者と介護者をどう守る

写真はイメージ

 こうした状況を受け、全米の介護施設で家族に対して訪問を控えるよう呼びかけ、多くが面会時間を制限し、最近、海外旅行をした家族の訪問禁止。訪問者を完全にシャットアウトするところも出ており、ただでさえ孤独な高齢者の心身にどんな影響をもたらすのかが強く懸念されています。

 一方で、介護者の安全確保も大きな問題になっています。前出のライフケアセンターでは、70人もの介護者にコロナウイルスが原因とみられる症状が出ているとのことですが、これを書いている時点ではまだ全員が検査を受けることができていません。

 アメリカでは介護者の多くは黒人などマイノリティーの女性で、低賃金による長時間労働に従事し、社会保障にも守られていません。彼らが倒れてしまったら、誰が高齢者を守るのか? この疑問に答えられる人がいないのが現状です。

2 / 2 ページ

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事