こうした状況を受け、全米の介護施設で家族に対して訪問を控えるよう呼びかけ、多くが面会時間を制限し、最近、海外旅行をした家族の訪問禁止。訪問者を完全にシャットアウトするところも出ており、ただでさえ孤独な高齢者の心身にどんな影響をもたらすのかが強く懸念されています。
一方で、介護者の安全確保も大きな問題になっています。前出のライフケアセンターでは、70人もの介護者にコロナウイルスが原因とみられる症状が出ているとのことですが、これを書いている時点ではまだ全員が検査を受けることができていません。
アメリカでは介護者の多くは黒人などマイノリティーの女性で、低賃金による長時間労働に従事し、社会保障にも守られていません。彼らが倒れてしまったら、誰が高齢者を守るのか? この疑問に答えられる人がいないのが現状です。
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