独白 愉快な“病人”たち

「無傷で残してもらえた」渡辺美奈代さん卵巣のう腫を語る

渡辺美奈代さん(C)日刊ゲンダイ

 経過観察が続いた3年目の秋に「ちょっと痛いな」程度の痛みがありました。それでも病院に行くほどではなかったので躊躇していました。もし、あのまま放置していたら事態は深刻化したかもしれません。

 婦人科を受診するきっかけをくれたのは、その年の春に飼い始めたワンちゃんです。正確には“彼女”の避妊手術でした。生後数カ月という子犬にメスを入れることがかわいそうで、主人と2人して泣きながら決断し、せめてなるべく傷が小さく体に負担が少ないといわれる腹腔鏡下手術がいいと思い、それができる動物病院を必死に探して連れていきました。

 その流れの中で、何を思ったか主人が「こんなかわいい子犬にメスを入れるなら僕もメスを入れるよ」と言い出して、経過観察中だった自分の背中のしこりを摘出する手術をしたのです。その先生が私のかかりつけ医でもあったので、急に私の「経過観察案件」も気になって相談し、私の検査の映像DVDをもらって、親しい婦人科に持っていきました。すると1時間も経たないうちに電話がかかってきて、「すぐ手術したほうがいい」となったのです。

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