専門医が教える パンツの中の秘密

「尿道・膀胱異物」は頻尿や膀胱結石をもたらす危険な行為

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 尿道狭窄の治療では内視鏡手術が中心ですが、治療後も再狭窄することがしばしばあります。そのような患者さんは尿道ブジーを使って定期的に尿道を拡張させるのです。また、尿道カテーテル(尿を出す管)を入れる必要のある患者さんで、尿道が狭い場合にも尿道ブジーを行います。

■開腹手術が必要になる場合も

 いずれにしても尿道オナニーは尿道を傷つけるので危険です。誤って異物を入れてしまった場合、そのときは症状がなくても、いずれ下腹部の痛みや血尿、頻尿などの症状が出てきます。さらに放置していると、異物を核として膀胱結石ができてしまいます。

 誤って靴ヒモを入れてしまった患者さんの症例では、半年くらい放置していて直腸(肛門)から膿(うみ)が出てきました。膀胱内に結石ができて、それが膀胱の内壁を傷つけ、炎症が直腸まで及んでしまったのです。こうなると開腹手術になります。

 尿道・膀胱異物は、早く受診すればたいがいは用手法(手で取る)か内視鏡(膀胱鏡)で取り除けます。放置していると大事に至るので、十分注意してください。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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