セックスが痛い

セックスしていないのに性感染症…自覚していない人も多い

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 妻に性感染症が見つかり、「浮気したでしょ!」となじられた。ちょっと前に一晩限りの相手と盛り上がり、でも未遂で終わった。“本番”もしていないのに――。

 こんな話を聞いたことがありませんか? セックスをすれば、誰でもかかる可能性がある性感染症。しかし、もし「セックス=挿入」と考えているようなら、セックスをしなくても性感染症にかかる可能性があります。それは、オーラルセックスをした場合です。

セックス・セラピー入門」(日本性科学会)によると、口と口のキスでは感染は起こりにくい。しかし、口と性器、口と肛門では、感染しやすいそうです。性器の病原体が口や咽頭にうつったり、または口や咽頭の病原体が性器にうつるのです。冒頭のケースでは、「盛り上がった相手とのオーラルセックスで自分に感染↓自分から妻に感染」が考えられます。

 厄介なのは、自覚症状に乏しい性感染症が多いこと。特に女性は症状が出にくく、世界的に最も多い性感染症クラミジアでは、女性の7割が無症状ともいわれています。症状があっても、おりものや不正出血だと、婦人科受診を恥ずかしがる女性もいますから、病院に行かずに何とかできないかと考えてしまうかも……。

 男性側が排尿痛や尿道のかゆみ、尿道からの分泌物に気付き、ひとりで黙って病院で性感染症の治療を受けても、妻などのセックスパートナーが無治療であれば、病原菌のキャッチボールを続けることになります。だから、治療は必ずセックスパートナーと2人で! 「浮気がバレると怒られるから」なんて言っている場合じゃありませんよ。治療をきちんと受けなければ、病原菌を拡散してしまうことにもなりますし、女性では不妊症を、男性では前立腺炎などを起こしやすくなります。

 さて、この性感染症ですが、実は女性の性交痛が発見のきっかけになることもあるのです。性交痛があれば、特に身に覚えがある場合は、性感染症も疑った方がいいかもしれません。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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