進化する糖尿病治療法

血糖コントロールが悪い人は脱水傾向 こまめな水分補給を

コーヒーや紅茶、お茶ではなく、水の方がいい(C)日刊ゲンダイ

 今回の新型コロナウイルスは、たとえ感染しても約8割の方は自然に軽快して治癒し、約2割の方は肺炎を合併し、時に高齢者や循環器系の基礎疾患がある方が肺炎を起こしやすいといわれています。糖尿病の方は、その2割に入ってしまうリスクも考えて、従来言われている対策に加え、次のことに気を付けてほしいと思います。

 まずは、1~2カ月の血糖コントロールを示すHbA1c(ヘモグロビンA1c)を低下させる生活習慣を心掛けることです。HbA1cが高い場合、脱水傾向にあることが多いので、水分をこまめに取りましょう。この時、コーヒーや紅茶、お茶ではなく、水の方がいいです。もし、お茶を飲むなら、可能であれば利尿作用がないカフェインフリーのものを選んでください。

 急激な血糖低下は低血糖を起こすことがあるので、食事を取るタイミングにも注意が必要です。糖質は完全に食べないようにするのもダメですが、一度にたくさん取るのも血糖値の急上昇・急低下を招きやすくするので避けてください。

2 / 4 ページ

坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

関連記事