食欲不振、下痢、嘔吐で…見過ごされる“隠れコロナ”リスク

日本では普及しないドライブスルー検査(米ワシントン大学の北西外来患者医療センターの駐車場で検査をする看護師)/(C)ロイター

■消化器系に症状のある感染者の回復率は34.3%

 感染に気づかなければ、重篤化のリスクは高まる。論文では〈消化器系に症状がある感染者は、そうでない感染者よりも重症化するリスクが高い〉と説明。〈臨床医は、下痢などの消化器系の症状が新型コロナウイルスの特徴を有しているだろうと認識すべきである〉〈消化器系の症状のある危険な状態の患者には、呼吸器系の症状が表れるのを待つのではなく、(感染の)疑いの指標を早期に上げる必要があるだろう〉――と結論付けている。

「消化器系に症状のある人を全員調べるわけにはいきませんが、論文を踏まえれば、感染が広がっている地域の住民や濃厚接触者に消化器系の症状の有無を聞いてもいいのではないか。少しでも消化器系に問題があれば、コロナに感染している可能性を念頭に検査できますからね」(左門新氏)

3 / 4 ページ

関連記事