独白 愉快な“病人”たち

走れなくなって…Jリーガー畑尾大翔語る慢性肺血栓塞栓症

畑尾大翔さん(C)日刊ゲンダイ

■大学留年を選びカテーテル手術

 希望が見えたのは、関東の大学病院から岡山医療センターを紹介されたことです。そこで手術を受け、今があります。岡山医療センターの松原先生という僕の主治医は、血栓塞栓症の第一人者といわれていて、国内外の医師がひっきりなしに勉強に来るほど循環器内科で有名な医師でした。

 初診の際は、過密スケジュールなはずなのに説明に時間をかけてくれたうえ、「早く復帰したい」という僕の気持ちを酌んでくれて、その日のうちに日程を調整して手術の日取りまで決めてくれました。

 手術は、当時としては一般的に開胸手術だったのですが、先生は「カテーテルで血栓除去を行える」とのことでした。でも、前例は日本でわずか100例ほど。しかもトップアスリートの負荷に耐えられるほど回復するかどうかは保証できないと言われました。それでも、大きな希望に胸を膨らませたことは言うまでもありません。

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