独白 愉快な“病人”たち

走れなくなって…Jリーガー畑尾大翔語る慢性肺血栓塞栓症

畑尾大翔さん(C)日刊ゲンダイ

 とはいえ、結果的に1年半サッカーから離れてしまったので、コンディションを取り戻すのは大変でした。大学卒業後、ヴァンフォーレ甲府の練習に参加したものの、ついていけずに挫折しかけました。「一緒に頑張ろう」と言ってくれるチームメートがいなかったら危なかったですね。

 早大の先輩が、あるスポーツ番組で僕の密着特集を組んでくれたことが反響を呼んで、いろんな人がSNSを通じて励ましてくれたのも支えになりました。

 やっと自分らしいプレーが戻ってきたのは2017年の後半です。手術から約4年かかりました。取り戻すにはブランクの3倍かかるというのは本当です(笑い)。

 だけど、もしも病気をせずにプロになっていたら、もっと早くダメになっていたと思います。サッカーができることが当たり前だと勘違いして、自分の体のメンテナンスや、練習、準備に今ほど一生懸命になれなかったと思うからです。

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