中高年ならだれでもかかりうるような病気の薬に、意識障害という見逃せない副作用があるのか。昭和大藤が丘病院泌尿器科の佐々木春明教授が言う。
「前立腺肥大症の薬のうち、タムスロシン(商品名ハルナール)やナフトピジル(同フリバス、アビショット)、シロドシン(同ユリーフ)などのメカニズムは、降圧薬と同じで、ルーツは降圧薬(α遮断薬)です。そのため血圧低下が副作用のひとつ。めまいやふらつきを訴える患者さんは時々いますが、前立腺肥大症の薬だけなら、意識障害を起こすほどの急低下はまれ。降圧剤との併用で作用が重複すると、血圧が下がり過ぎることがあり、要注意です」
高血圧と前立腺肥大症は、中高年男性なら十分ありうる病気の組み合わせだ。実は、生活習慣病をはじめとする多くの病気の薬で、副作用のひとつに意識障害がある。持病が増えれば、その分作用が重なり、より危険度は増す。
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