「静かに願います」と怒号を制した裁判長は、「事故が起きたのは事実。ただ、被告個人の責任であるというのは真相ではない。同じ悲劇を繰り返さないための無罪判決です」と結んでいる。女子高生の死をムダにしないためにも、せめて受診の際は、お薬手帳を持ち歩くことだ。
〈自動車事故の流れ〉
男性は18年1月9日の早朝、乗用車を運転中に血圧が急低下。意識障害に陥り、対向車線の路側帯を自転車で走っていた女子高生2人をはねた。うち1人は死亡し、もう1人は脳挫傷などの大けがを負っている。
国井恒志裁判長は、被告に低血圧やめまいの症状があったことを認めながらも、医師から薬の服用で低血圧などの副作用が起こることを説明された証拠がなく、「意識障害が生じることを予見することはできなかった」と結論づけている。
人生100年時代の歩き方