他にも、心不全の患者60人と健常者20人の便を調べた研究では、心不全患者の便には病原性が高い細菌が増えていて、心不全の病状が悪い患者ほどその傾向が強いことがわかっています。やはり、心臓にとって腸内細菌のバランスは重要なのです。
■アンバランスな食生活による便通異常が病気につながる
腸内環境を整えるために大切なのが「食生活」です。いわゆる生活習慣病がベースで起こる心臓疾患は単一の要因で発症するケースはほぼありません。高血糖、高血圧、高コレステロール、肥満の4つのリスク因子のいずれかが重なって発症する場合がほとんどで、重複するリスク因子が多ければ多いほど発症しやすくなります。糖尿病は単一で心臓疾患を招くリスクはありますが、やはり多くは高血糖だけでなく、いくつかの因子を抱えているのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」