症状は単なる鼻づまりよりも深刻だ。ドイツの感染者らを調査した独ボン大学のウイルス学者ヘンドリック・シュトレーク教授は独紙フランクフルター・アルゲマイネのインタビューで、感染者の中に〈子どもの汚れたおむつのにおいが分からなくなった母親〉〈シャンプーのにおいがしなくなった人〉〈食べ物が薄味に感じるようになった人〉らがいたと語っている。
厚労省は相変わらずコロナ感染の受診・相談の基準として、〈37.5度以上の熱が4日以上続く〉〈強いだるさや息苦しさがある〉と掲げているだけ。コロナに感染していると気づかず、花粉症や鼻炎を疑って耳鼻科に駆け込む人が出てくる可能性がある。耳鼻科で“院内感染”が起きかねないのだ。耳鼻科医も危険にさらされることになる。医学博士の米山公啓氏がこう言う。
「嗅覚障害や味覚障害が熱や咳、倦怠感などに先行する症状であれば、もっと目立っていいはずです。例外疾患なのかもしれませんが、仮に嗅覚障害や味覚障害が先行するならば、感染の判断のための初診は楽になるでしょう。耳鼻科医は感染リスクが高まるので要注意です」