ダヴィンチは00年に米国で使われるようになって、日本では12年に前立腺がんが保険適用になりました。16年に腎臓がん、18年には直腸がんのほか肺がん、胃がん、膀胱がん、子宮体がんなどにも広がっています。
ダヴィンチには、内視鏡カメラと3本のアームがついていて、腹部などの小さな穴からこれらを挿入。医師は手術台から数メートル離れたところから操作し、メスや鉗子、ハサミなどの手術器具をアームに付け替えながら手術します。ロボットが自ら動いて手術するのではありません。
主なメリットは3つ。①傷が小さく、出血量が抑えられ、術後の回復が早い②アームなどの精度の高さ、手振れ排除などにより、正確な切開や縫合が可能③さまざまな機能の温存です。
直腸には、排尿や性機能などを担う重要な神経が密接しています。これらが損傷されると、日常生活への影響は少なくありませんが、ダヴィンチは温存できる可能性が高いのです。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵