病の克服は患者に聞け

ヒトパピローマウイルス感染症<1>最初は何のウイルスが分からず

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年1月末、都内の不動産会社に勤務する岡本昭代さん(仮名=40)が、「ヒトパピローマウイルス」(HPV)に感染していることが分かった。

 性経験を持つ女性なら約50%以上が生涯で一度は感染するといわれるありふれた一般的なウイルスである。

 性器に感染しても、痛みやかゆみなど、これといった自覚症状がない。感染したところで、ウイルスは身体的抵抗力(免疫作用)で、体外に排除されてしまうケースも少なくない。

 しかし、このウイルスの怖さは、感染を繰り返し、がんのリスクを高めることだ。

 近年、急速に増えている「子宮頚がん」(年間1万人以上=厚労省統計)をはじめ、「口腔がん」「咽頭がん」「外陰がん」「膣がん」「肛門がん」「陰茎がん」等を発症させてしまう。テレビの健康番組で「子宮頚がんとワクチン」の特集を見ていた岡本さんの母親が、娘に検診を強く勧めたことが、早期発見に結びつく。

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