エクモも志村けんさんを救えず…一因は肺の基礎疾患にあり

志村けんさん(C)日刊ゲンダイ

 これまで、エクモは新型コロナウイルスによる重症肺炎に対する有効性が報告されていて、3月11日時点の集計では新型コロナでエクモ治療を受けた患者23人のうち12人が回復し、死亡者はいなかった。

 しかし、それでも志村さんは息を引き取ることになってしまった。生死を分けたものはなんだったのか。日本呼吸器学会専門医で「水谷内科呼吸器科クリニック」(東京・大泉学園)院長の水谷清二氏は言う。

「志村さんを診たわけではなく、詳細な病状もわからないので一般論になりますが、新型コロナウイルスによる重症肺炎にエクモが有効なのは確かで、志村さんにエクモ治療が行われていたのは、回復する見込みがあったからだといえます。しかし、肺の既往症があったことで、すでに肺の機能が大きく落ちていたと考えられます。報道によれば、かつての志村さんはヘビースモーカーで、4年前には肺炎で入院を経験していますし、COPD(慢性閉塞性肺疾患)だったとも言われています。COPDの患者さんは、風邪やインフルエンザといった感染症にかかると肺炎になりやすくなり、重症化リスクも上がります。症状が改善しても以前より肺の機能が低下してしまうのです」

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