そのため、血液抗体検査で「IgMが陽性」なら感染早期、「IgGが陽性」ならそのウイルスに対する免疫が完成していると判断されてきた。
ただし、これは一般的な感染症での知見に過ぎない。
新型コロナウイルスに対してはIgMやIgGが陽性でも、ウイルスを殺すだけの能力があるかどうかなど、十分な知見が得られていない。
また簡易検査キットの精度への不安もある。
「こうした点を理解せずにむやみに使えば、逆に感染者を増やしかねないと心配する声もあるのです」(永田教授)
現在、世界中で新型コロナウイルス用血液抗体検査キットの開発が行われており、日本では横浜市立大学などで進められている。
中国国内では、診療ガイドラインに採用されている中国製検査キットがある。これを日本企業が輸入発売しているが、あくまでも「研究用」としてだ。
緊急企画 新型コロナを正しく恐れる