在宅勤務で太った体を元に戻す 食べるべき意外な食材とは

スポーツジムでのトレーニングは暫くお休み
スポーツジムでのトレーニングは暫くお休み(C)日刊ゲンダイ

「リモートワークで歩数が減った」「ずっと家にいるので間食が増えた」「スポーツジムが休みで運動ができない」と新型コロナウイルスの影響で体重増加を嘆く声を聞く。何とか体重増を食い止める方法はないものか? 

「何をやっても痩せなかったのが、肉を中心に食べるようになって体重が減りました」

 こう話すのは、ダイエットインストラクター、介護予防運動指導員として食生活や体操の指導を行う長谷川香枝さんだ。 長谷川さんは学生時代にケガで運動ができなくなってから、半年で15キロ太った。特定のものだけを食べるダイエットなどを行ったが、痩せてもすぐにリバウンドする。どんなダイエットもうまくいかないストレスから、ある時すべてがどうでもよくなり、「太るから」と我慢していた牛肉を毎日食べ始めたところ、10日で3キロ痩せた。

 そこで肉に着目し、毎日1~2食、各食300~500グラムほど(1人前の目安は200グラム前後)を食べた。結果、半年で15キロ減。疲れにくくなり、肌の調子も良くなった。以来、肉中心の食生活を送っているが、体重、体脂肪率は全く変わっていないという。運動は特にしていない。

■食べる順番に注意する

 長谷川さんの食べ方のポイントは、「肉だけを食べる」わけではないところだ。

「糖質はもちろんのこと、肉以外の食材も食べます。ただ、気を付けているのは食べる順番です。温かい汁物、なければ温かいお茶を最初に飲み、野菜やキノコ、海藻類をたっぷり取る。その後で肉や魚を好きなだけ食べ、最後にご飯やパン、パスタなどの糖質を食べます。汁物、野菜・キノコ・海藻類、肉や魚でお腹がかなり満たされているので、必然的に糖質の量は少なめになります」(長谷川さん)

 肉は、もともと好きな牛の赤身肉が比較的多いそうだが、豚、鶏、羊肉など何でも食べる。また、野菜は大きめにカットされた歯応えがあるものをよく食べる。

 長谷川さんの肉中心で食べる順番を考えた食事法を「理にかなっている」と評価するのは、管理栄養士の則岡孝子氏だ。則岡氏はクリニックで栄養指導も行っているが、「タンパク質+糖質」は実に痩せやすい食べ方だという。

「糖質を過剰に取るとエネルギーとして使われずに肥満細胞に蓄積され、太ってしまいます。一方、糖質なしで肉などのタンパク質だけを取っていると、やはりタンパク質がエネルギーとして用いられず、動脈硬化や疲労の原因になります。だから何らかの持病がある人を除き、タンパク質を多めに、糖質を少なめに取る食べ方が効率良く痩せられます。最初に汁物でお腹を落ち着かせ、野菜・キノコ・海藻類をたっぷり取って脂肪の吸収を抑制する食べ方もいいでしょう」(則岡氏)

■自宅にいる時のメインは魚

 則岡氏が実践しているのが「自宅にいる時のメインは魚」という食べ方。LDLコレステロール値が高めなのを何とかできないかと、これまではメインに肉も魚も食べていたのを、魚だけにかえた。具体的には、朝は納豆、ご飯、野菜。昼はチーズ、餅、海苔など。夜はマグロやサケ、ブリなどの魚、野菜料理数品、ご飯。週2~3回の外食では普通に肉を食べ、ビールや焼酎などは毎晩飲む。

「すると、180を超えていたLDLコレステロール値が130前後まで下がったんです。LDLコレステロール値は体質も関係しているので、食生活だけではなかなか下がらないといわれています。しかし、下がった。LDLコレステロール値が高い人は、魚料理を多めにするといいですよ」(則岡氏)

 さらに運動嫌いな人も自然と体を動かせるアドバイスとして「1時間仕事をしたら、3分体を動かす」(則岡氏)。わずか3分なので気負いは不要。今日から始めては?

関連記事