コロナ対策“不要不急の外出自粛”で高齢者の健康が蝕まれる

「外に出るな」と言いますが…/(C)日刊ゲンダイ

 欧米の研究によると、運動をしない期間がわずか2週間続いただけで筋力と筋肉量は大幅に低下するという。その影響は若者でより大きいが、高齢者は失った筋肉を取り戻すのに多くの時間が必要になると報告している。

「高齢者の筋力低下や運動能力低下はふらつきの原因となり、骨折リスクを高めます。とくに2型糖尿病の人は注意が必要です。寝たきりを招く大腿骨頚部の骨折が2型糖尿病でない人に比べて1.3~2.8倍に高まるという報告があるからです。また、高齢者は屋内にいるから安全というわけではありません。65歳以上の事故の77%は住宅内で起きていて、階段を踏み外すなどの転落が30.4%、夜間トイレに行く際などの転倒が22.1%という報告もあります。高齢者の長期間の外出自粛はこうした事故に拍車をかけないとも限りません」

■強い怒りから脳梗塞や心筋梗塞も

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