専門医が教える パンツの中の秘密

陰部に薬疹が…「固定薬疹」の特徴は?ヘルペスとの違い

原因となる成分は患者によって異なる

 頭痛が起こるたびに、陰部に2~3センチの紅斑や水ぶくれができるという人はいないでしょうか。または生理のたびにできる、風邪をひいたときにできるという人もいるかと思います。

 そのような人に共通するのは、頭痛や生理痛、風邪などを治すために「薬を飲んでいる」ということです。つまり、陰部にできた病変の原因は「薬疹(やくしん)」の可能性があるということです。薬疹とは薬の成分によってアレルギー反応を起こしてしまい、皮膚に炎症を起こしてしまう薬の副作用のひとつです。

 陰部に薬疹ができやすいのは「固定薬疹」と呼ばれるものです。特定の成分を含む薬を飲むと、数時間程度でかゆみや灼熱(しゃくねつ)感に続いて、2~3センチくらいの円形または楕円形の紅斑や水ぶくれなどの発疹ができます。口の周りや唇、陰部などの皮膚粘膜移行部や手足にできることが多く、原因となる薬を飲むと同じ部位に繰り返し同じ形の発疹が出るのが特徴です。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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