緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

ワクチン開発にはいくつもの高い壁…使用可能まで1年以上

まだまだ時間がかかりそう(C)ロイター

「ワクチンが完成し、増産態勢が整って広く供給されるまでには、早くても1年から1年半以上はかかるとみられています。そもそも、ワクチン開発にはクリアしなければならない課題が多くあって、有効性と安全性を確認する臨床試験だけで3段階の検証や承認が必要です。まずは第Ⅰ相試験で20人程度の少人数を対象に投与して経過を観察し、最適な用法や用量を確認します。続く第Ⅱ相試験では、より多くの患者に投与して用法、用量、副作用などをさらに調べ、それをクリアしてから第Ⅲ相試験が行われます。数百から1000程度の幅広い年齢層の人を対象にワクチンを投与し、プラセボ(偽薬)との比較を行うなどして有効性と安全性を検証するのです」

 3段階の臨床試験を終えた後、規制当局による審査と承認を経て、ワクチンの製造と品質管理が行われるようになる。今回は特例で一般的な臨床試験よりも短い期間で済むとみられるが、それでもまだ時間がかかる。

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