「前述の通り、大腸がんは早期ではほぼ症状がありません。そのため、早期に発見しようと思えば大腸がん検診を受けるしかありません」
大腸がん検診には、便に血液が混じっていないかを調べる便潜血反応がある。
2日分の便を少量取るだけなので簡単、かつ苦痛を伴わない方法だが、残念ながら検診率は50%を切っている。
さらに、陽性と言われて精密検査(内視鏡検査=大腸カメラ)に進む人は70%弱。つまり、3割強の人が「大腸がんの疑いがある」という結果が出てもスルーしてしまっているのだ。
その理由のひとつとして杉原氏は、「大腸がんになるはずがないと思っている人が多い」ことを挙げる。
確かに、便潜血反応で陽性となっても、実際に大腸がんが見つかる人は2~3%。「便潜血反応は陽性でも、多くが異常なしだから、受けなくてもいいのでは」と考えている人もいる。