しかし、便潜血反応の感度(大腸がんの発見度)は、あえて今のレベルに設定されている。腸の粘膜が剥がれ落ちる関係で便にはすべてヘモグロビン(血液中のタンパク質の一種)が含まれているので、感度を高くすると便潜血反応があった人全員が陽性となる。一方で感度を低くすると、疑いがある人を見逃す。ちょうどいいあんばいで感度が設定されているのだ。
早期では症状がないことを考えると、便潜血反応を受けるべきだ。
■家系に発症者がいる人は要注意
もし、「自分はもっと感度がいい検査を受けたい」というなら、検査費はかかるものの、最初から内視鏡検査を受けるという手もある。
「特に、家系に大腸がんを発症した人がいて、40歳以上であれば、一度は内視鏡検査を受けるべきです。検査技術が向上して、検査器具も進歩したことから、“思っていたより楽”という人も少なくない。かつて内視鏡検査を受けて痛くて嫌な経験をした人も、現在は違うかもしれません」