からだデータ

スペイン風邪は2億人が感染 もし「100年に一度」が本当なら…

ビル・ゲイツ氏は、新型コロナ対策(ワクチン工場建設)に、自身の財団を通して巨額資金を投入していると語った
ビル・ゲイツ氏は、新型コロナ対策(ワクチン工場建設)に、自身の財団を通して巨額資金を投入していると語った(C)ロイター /共同

「100年に1度発生するレベルの病原菌」

 さる2月28日、マイクロソフトの創始者ビル・ゲイツ氏はコロナ禍をこう評した。また、ノーベル賞受賞者の山中伸弥氏は3月11日に行ったYOSHIKIとの緊急動画対談において、「自分は専門家ではないが」と前置きしたうえで、約100年前の「スペインかぜ」を念頭に「可能性としては同じくらいの危険性がある」と語った。

 スペインかぜのデータは驚くべきものだ。1918年から20年の約3年間、世界中を恐怖に陥れた。全世界で患者数2億人、死亡者数が2000万~4000万人と推定される。

 当時の日本政府が発行した「流行性感冒」と「日本帝国人口動態統計」をベースに東京都健康安全研究センターが調査を行い「日本におけるスペインかぜの精密分析」としてまとめている。

 それによれば、当時総人口約5600万人程度の日本における3年間の総患者数は2380万4673人、死亡者数は38万8727人。小康状態を挟み流行のピークは2回あった。

 1回目の流行期である1918年8月から19年7月までの患者数は2116万8398人、死亡者数は25万7363人、対患者死亡率1・22%である。注目すべきは2回目の流行期の統計だ。患者数は241万2097人と減ってはいるものの、死亡者数は12万7666人でほぼ半減にとどまり、対患者死亡率は5・29%に上昇している。

 そして流行から終息まで、ほぼ3年の時間を要した。山中氏は「今は医学や情報伝達の手段が進歩している」とし、世界の協力によって「被害は数十分の一に抑えられる」とする。そう願うばかりだ。

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