緊急企画 新型コロナを正しく恐れる

ガイドラインにも記載 「血液浄化療法」は効果があるのか?

写真はイメージ(C)PIXTA

 新型コロナウイルス感染症の治療といえば、アビガンといった抗ウイルス薬ばかり注目されるが他にも手はある。例えば「血液透析」や「血液吸着療法」といった「血液浄化療法」だ。新型コロナウイルスが体内に侵入すると、それを排除しようとして免疫組織が動きだす。その指令を出したり異物を攻撃したりするためのタンパク質がサイトカインだ。これが過剰に分泌されると全身の臓器にさまざまな悪影響を及ぼす。これを「サイトカインストーム」と呼ぶ。

「北品川藤クリニック」の石原藤樹院長が言う。

「血液浄化療法とは血液から有害なもの、不要なものを除去する治療法です。異常なサイトカインを取り除くのにも有効です。そのやり方はさまざまで透析、ろ過、吸着、分離などがあります。最もよく知られているのが慢性腎不全の患者さんに対する血液透析です。また、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性の病気の患者さんには、余計な物質を表面に吸着する物質を血液内に通すことで血液をきれいにする血液吸着療法と呼ばれる方法が試されます」

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