改めて知りたい…なぜ日本で医療崩壊が危惧されているのか

感染者が10万人を突破したニューヨーク州(C)ゲッティ=共同

■軽い認識の人が少なからずいる

 もうひとつの理由は、いまだに新型コロナウイルス感染症を「少し強いインフルエンザ程度」との軽い認識しかない人が少なからずいることだ。その中には新型コロナを恐れず、「3密」(密閉、密集、密接)の回避、「ソーシャルディスタンス」(疾病の感染拡大を防ぐため、意図的に人と人との物理的距離を保つこと)の維持などをバカにして、ルールを守らないことを自慢するかのような態度を取る人がいる。ここで、クラスターが生まれ拡散する。

「新型コロナに関する中国の調査チームを率いる医師は先日、『致死率はインフルエンザの20倍』と述べています。甘く考えてはいけません。病原性は重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に比べて低いといわれていますが、その感染力はこれまでの感染症に比べて強い。しかも、いまは高速大量輸送が行われており、ウイルス自体の病原性以上に人に感染しやすく、重症化しやすい社会的状況が整っています」

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