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感染ピークの米国は抗体検査で流行第2波を回避できるのか

ニューヨーク州のクオモ知事(C)ロイター

 世界最大の新型コロナウイルス感染都市となったニューヨークは、どうやら感染のピークを迎えたかと思われます。そんな中、早くも社会経済再開への模索が始まっています。

 学校、お店、事業所のシャットダウンと自宅待機により、感染の広がりをある程度まで抑えることができたとはいうものの、これらの一斉の解除で起こり得る感染のセカンドウエーブが警戒され、ニューヨーク州のクオモ知事は「バルブを開くように調整しながら」行っていくとしています。 その最大の鍵となるのは「検査」です。ニューヨーク州がこれまで行った感染検査は50万件以上。これはカリフォルニア、フロリダ、ミシガンの3州を合わせた数より多く、全米最大規模です。今後もさらに検査を行って、その動向を追跡・特定する方針は変わっていません。

 同時に注目されるのが抗体検査です。抗体検査は新型コロナウイルスに感染した後にできる抗体を調べるもので、針で指を刺して採取した血液を検査します。感染しても発症しなかった人や、重症化しなかったために検査を受けてなかった人も含め、誰に抗体ができているかが分かれば、その人を優先的に社会経済活動に復帰させられるわけです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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