独白 愉快な“病人”たち

加瀬部駿介さん手術4回…世界にわずか70症例の病気と闘う

加瀬部駿介さん(C)日刊ゲンダイ

 本格的な異変はそれから2年後でした。今度は転んでもいないのに右太ももがむちゃくちゃ痛くなったんです。

 同じ病院に行くと、また同じ手術になりました。「1週間ぐらいで退院できる」と言われたのですが、手術2日後にまた同じくらい痛くなって再手術。するとまた2日後には血がたまってきて、また手術……と、結局5回も手術を繰り返しました。

■「このままだと右脚切断もあるかも」

 血液に詳しい先生が登場して改めて血液を検査すると、血小板が高校のときよりも格段に減少していて、ほかにも血液凝固因子の一部が極端に少ないと判明したのです。

「君の病気はラープスです」と言われたのは、血液の病気にたけた東大病院の血液内科に転院したあとでした。すぐに手術する予定でしたが、経過観察となり、僕のベッドの周りにズラーッと医師が集まって何やら話をするんです。僕は僕で「ラープス」をネットで検索してみたんですけど、「ヨーロッパのお城」ぐらいしか出てこなくて、結局なんだか分かりませんでした。

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