夫とのセックスの痛みに悩んだ日々をつづった書籍「夫のHがイヤだった。」の著者、Mioさんに本が出版された時、会ってお話を伺いました。
彼女によれば、セックスで痛みがひどく、婦人科に行き、くまなく検査をしてもらっても、異常が見つからずじまい。医師からは「強いて言えば子宮後屈ぎみ。手術するほどではない」「夫婦生活はちゃんとできますよ」と言われたそうです。 Mioさんは、セックスの後に下腹部を押すと痛みがあることから、内科も受診。性交痛があるとは言えず、腸が痛むと言って検査をしてもらったそうですが、やはり異常はなし。「こんなに痛いのだから、絶対に手術するような大きな病気がある」と考え、婦人科をはじめ、さまざまな医療機関を受診。婦人科の医師にはどこでも「(セックスの時)リラックスするように」と言われたとか。私自身も複数の婦人科で同じことを言われた経験があり、「私も!」と2人でうなずき合いました。
セックスの痛みは性器の痛みなので婦人科ばかりに行ってしまいます。私もそのひとりでした。しかし、セックス中の痛みは子宮や腸などの臓器同士の癒着、腸や骨盤系の疾患も考えられます。Mioさんのようにご自身でたくさん調べて、膣や子宮周辺に疾患がないかまで検査するのは、とてもレアケースで素晴らしいと思います。
それ以外のケースでは出産時の会陰切開瘢痕など、手術や切開による縫合痕の後遺症。出産した病院で診てもらっても良くならない人は、別の婦人科や婦人科系の形成外科に行くと、形成外科の視点で診てもらえ、小さな不具合が見つかるかもしれません。
ほかには心因性の問題も。しかし、それを疑う前に、パートナー側の原因、たとえばペニスのサイズ、セックスの方法はどうでしょうか? 激しいピストン運動、挿入のタイミングや角度、感じない場所への愛撫や馴染めない体位の継続などもセックスの痛みにつながります。パートナーの工夫で、激痛が改善することもあります。病院に行っても分からず、お手上げと思っても、まだできることはあるのです。
セックスが痛い