院内感染42人…都立墨東病院の今「医療崩壊は信頼の崩壊」

うつ病になるスタッフも…(都立墨東病院)/(C)日刊ゲンダイ

 憩いの場となる職員向けの食堂もギスギスしたものになっているらしい。

「通常は広い長テーブルでみんなで食べるのですが、いまはついたてで覆われて一人で黙々と食べるようになっています。会話も飛沫が怖いからとできにくい雰囲気です」

■うつ病になるスタッフも

 そんなスタッフがなによりつらいのが自宅での生活だという。

「世間のコロナ差別がひどい。子供や介護が必要な老人を抱えている人は預け先に相当苦労しています。いままで仲が良かった保育園の先生から、『明日からは来ないでくれ』『預かれません』と言われたり、老親の預かりを拒否されたりするスタッフが続出しています。コロナ休校で子供は家にいるし、テレワークのダンナさんは今後の生活を心配してイライラしていて大変なようです。職場では緊張を強いられて、家庭がギクシャクして逃げ場がなくなり、うつになる人もいます」

 病院内にはそのための相談室も設置されている。

「いまは、医療の最前線で働く医師や看護師、スタッフの安全を担保するマスクや防護服など医療資材の安定供給、危険手当など報酬の見直し、働く人の子供の預け先の確保などを十分にしていただきたいと切に願っています」

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