アビガン開発者・白木公康氏に聞く 新型コロナとの戦い方

アビガン開発者で富山大学名誉教授の白木公康氏(左・アビガンの錠剤=ロイター)/(C)日刊ゲンダイ

 今回、中国政府が、すぐに使うために7万の既存薬からアビガンを新型コロナウイルス感染症の薬候補として選んだのはこうした理由からです。

 アビガンが新型コロナウイルスに効くのは中国の論文からも明らかです。実験室レベルの研究ではエボラと同じ用量での効果が認められていますし、臨床試験でも「アビガン治療群では平均4日でウイルスが消失し、対照群では平均11日を要した」と報告されています。解熱までの期間や咳が緩和する期間の短縮が確認され、日本で心配されている副作用についても「明らかな副作用も見られず安全性は高い」と書かれているのです。

 にもかかわらず、日本の感染症の専門家は「アビガンの有効性については判断できない」とするのはなぜでしょうか。少なくとも、「中国では有効性が確認されているが、わが国では判断できない」というべきではないでしょうか。

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