アビガン開発者・白木公康氏に聞く 新型コロナとの戦い方

アビガン開発者で富山大学名誉教授の白木公康氏(左・アビガンの錠剤=ロイター)/(C)日刊ゲンダイ

 ――抗インフルエンザ薬のアビガンが効くのなら、タミフルやゾフルーザなども効くのですか?

 コロナウイルスとインフルエンザは違うウイルスなので、タミフルやゾフルーザは効きません。しかし、両ウイルスはRNAウイルスなのでアビガンは効きます。マウスの実験ではタミフルは3日延命しますが、その後ほぼ死んでしまいました。ところがアビガンは死にません。同じ抗インフルエンザ薬でも、効く仕組みが違うからです。

 しかもアビガンは感染した細胞内でRNAウイルスを作らせませんから、薬剤耐性ウイルスは生まれません。

 ところが、タミフルやゾフルーザはウイルスが感染した細胞内で限界になるまで増えた後で効き始めるため、その間に薬剤耐性のあるウイルスが生まれる可能性があるのです。

 アビガンがRNAウイルスを合成しないということは、ヒトの免疫細胞からRNAウイルスを攻撃するときに必要なサイトカイン(炎症を起こす物質)も分泌されないということです。

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