「たとえつらい環境下でも、ゴールが見えていれば『そこを目標にがんばろう』という気持ちになって乗り越えることができます。しかし、今回は先がまったく見えず、いまの生活がいつまで続くのかがわからないため、ずっとストレスを抱えたまま日々を過ごす状況になっているのです」
ストレスと睡眠は互いに大きな影響を与える。睡眠が不足すると、自律神経が休まらずに疲労がたまってストレスが解消されない。ストレスが蓄積すると自律神経にますます負担がかかり、睡眠が乱れてしまう。この「負のスパイラル」がいま起こっていて、メンタル不調を招いているのだ。
「しかも、睡眠不足は感染症にかかりやすくなります。十分な睡眠がとれていないと交感神経が優位になっている時間が長くなり、コルチゾールというホルモンが多く分泌されます。コルチゾールはストレスにより分泌が促進されるステロイドホルモンの一種で、免疫を抑制する作用があり感染リスクをアップさせるのです。また、睡眠不足で自律神経のバランスが崩れると、免疫をつかさどる白血球の働きも低下させてしまいます」