進化する糖尿病治療法

在宅勤務でも体重と血糖コントロールが良好な人の共通点

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 会社でのランチは、歩いて数分のコンビニなどでサンドイッチやおにぎりを買ってきて済ませていたので、先に紹介した犬の散歩が日課になった男性と同様、在宅勤務以降の方が歩数が増えているそうです。

 テークアウト続きではカロリーオーバーが気になるところですが、ご飯の量は3分の1にして残りは冷凍したり、作り置きの煮物などと合わせて食べ、テークアウト分で残ったものは夕食に回しているとのことでしたから、カロリーの点も十分にコントロールできていました。

「目的もなく歩くのは苦痛でしかないけれど、おいしいものをテークアウトできるということと、お店に出掛けることが飲食店応援につながるかな、と思うと、40分歩いても苦じゃない。今度行こうと思っている店は片道1時間ほどかかりそうなので、休日に実行しようと思っています」と女性。

 在宅勤務で太りがちになるところを、うまく対処できているのは、本当にいいことだと思います。それに関連して、最近気になっているのが、アルコール摂取量の増加。自宅で飲むため、終電を気にせずに深夜までダラダラ飲んでしまう、オンライン飲み会で飲みすぎてしまう、退屈さを紛らわすためにお酒を昼から飲んでしまう……。

 アルコール量が、かつてよりかなり増えたという話もよく聞きます。早い時間から飲み始めればそれだけ酒量も増えるでしょうから、時間を決めて飲むようにする。炭酸水などでごまかす。さまざまな工夫で、知らないうちに酒量が増えていたとはならないようにしてほしいと思います。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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