がんと向き合い生きていく

新型コロナに注意しながらがん治療をどう受ければいいのか

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 A病院内科のK医師からメールが届きました。

「がん治療中にコロナウイルス感染で肺炎となって入院された患者さんがおられます。肺炎がよくなって化学療法ができる状態まで回復するように頑張っています。コロナ流行の状況では、がん治療を変更せざるを得ない患者さんがいらっしゃいます」

 4月14日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部から都道府県に対して通達がありました。

 ◇  ◇  ◇ 

 がん患者(中略)への対応について、別添のとおりまとめましたので、各都道府県におかれましては、関係部局とともに、協議会等で早急にご検討いただきますよう、お願いいたします。

①がん治療を受けているがん患者が新型コロナウイルス感染症に罹患した場合には、重症化する可能性を念頭に置き、がん治療を中断し、新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関への入院を原則とする。ただし、がん治療の術後等で、患者を新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関に搬送することが医学的に難しい状態である場合には、当該医療機関での院内感染対策を講じた上で当該医療機関での治療について検討を行う。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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