在宅勤務で腰痛がつらい…「仕事環境別」こうして軽減する

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あぐらはOK 横座りはNG

 どうすれば腰痛を軽減できるか? 昨日に続き、腰痛解消のコツを青山一丁目カイロプラクティック院の山口博院長に聞いた。

「在宅勤務で特に気をつけて欲しいのは、ストンと力を抜いても腰が丸まらない姿勢を保てるよう、しっかりした硬めのクッションや枕を椅子の背もたれと腰・骨盤の間に入れること。1時間~1時間半に1回は、簡単なストレッチでいいので背中や腰を動かすこと。さらに、それぞれの環境に合わせて、次の方法が役立ちます」

■床やじゅうたん、畳の上に座ってパソコンをしている場合

「床やじゅうたん、畳の上にじかに座ると、骨盤は大きく後ろへ丸まり、本来S字である背骨がC字になり、首・肩・腰の関節・筋肉にかなりの負荷が加わります。筋肉の力で背筋を伸ばそうとすると、今度は筋肉が疲労します」

 無理なく骨盤が起立し、関節や筋肉に負担をかけないようにするには、硬いクッション、または滑りにくい座布団、またはバスタオルを用意する。

 壁と腰の間に硬いクッションを入れて背もたれのようにするか、座布団やバスタオルをお尻の下(お尻の後方寄りがいいが、自分のベストの位置は人によって違うので、調整する)に入れ、お尻の位置を持ち上げて自然に背筋が伸びるようにする。

「座り方は、座布団の厚みで足に体の重みをかけにくくした正座かあぐらで(写真A)。両足を左右どちらかに投げ出す横座りは、骨盤と背骨が極端にゆがむため絶対に避けてください」

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パソコンモニターの位置を工夫する

■ソファに座っている場合

 お尻も背中もクッションに沈み込むソファは、腰痛を悪化させる。ソファに座って長時間デスクワークをするなら、ソファの縁を壁代わりにして、ソファと背中の間に硬いクッションを当てて床に座って仕事を行う(写真B)。

「どうしてもソファで、という場合は、力を抜いても腰が丸まらないように、硬めのクッションを背中に当ててください」

■パソコンのモニターの高さが適切でない場合

 在宅勤務で腰痛がひどくなる原因には、モニターの高さが適切でないことも挙げられる。ソファに座っての仕事が腰痛を悪化させやすいのは、お尻や背中がソファのクッションに沈み込んで背筋が丸まりやすいこともあるが、加えて、膝にパソコンを置いて作業するため目線が下がり、より背筋が丸まってしまうことも関係している。

「腰痛を起こしにくい理想的なモニターの位置は、骨盤を起立させて座ったとき、腕をだらりと下げて肘を曲げたところにキーボードがあり、目線はモニターの真ん中、または、中心から少し上あたりの画面になります」

 デスクトップ型パソコンで、モニターの位置が低いなら、その下に台を置いて高さを調整する。問題は、ノート型パソコンだ。

「ノート型パソコンを机の上に置いて仕事を行うと、どうしても目線の位置が低くなり、背筋が丸まりやすく、腰痛を悪化させてしまう。可能であれば、ノートパソコンの下に資料などを入れる台をおき、別売りのキーボードをインターネットなどで購入。USBなどでつなぐ方法です。要は、ノートパソコンのモニターだけを使用するのです」

「別売りのキーボードを使い始めたら腰痛が楽になった」と報告する人もいるという。

■椅子の高さが合わない場合

 一番いい座り方は、足首、膝、股関節がそれぞれ90度になるようにすること。足が床にペタッとつかなければ台を置いて90度になるように調整する。今日も一日仕事が終わった、さあくつろごう……という時も姿勢に注意。「足を投げ出してソファの背もたれにもたれかかる」「腹ばいになったり寝転がって本を読む」などは、腰痛をますます悪化させてしまう。

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