みんなの眼科教室 教えて清澤先生

新型コロナウイルス感染で眼が痛くなるのは本当なのか?

清澤眼科医院院長(右)/(C)日刊ゲンダイ

 世界的に権威のある医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表された研究報告によれば、中国の新型コロナ感染症の患者1000人以上を対象にした調査では、患者のおよそ0・8%に「結膜の充血」が見られたということです。

 ただし、ニューヨーク・タイムズ紙は、新型コロナウイルス感染症と判断するには単に「充血」や「涙量の増加」だけでなく「痛み」を伴うことに注目しています。

 新型コロナウイルス感染症の発病に関連する検索ワードの上位は、1位「においの喪失」、2位「発熱」、3位「悪寒」、5位と6位の検索は「鼻づまり」と「下痢」でした。いずれも、新型コロナウイルス感染症で出現するとされてきた症状と一致しています。しかし、4位の「目の痛み」という検索結果は驚きです。

 また「目の痛み」というキーワードを多く検索しているのはニューヨーク、ニュージャージー、ルイジアナ、ミシガンなどの新型コロナウイルス感染症が多かった州だったそうです。

 検索キーワードで病気の症状がわかる時代になるなんて、思ってもみなかったことです。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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