役に立つオモシロ医学論文

複数のダイエット方法を比較した論文が その結果とは?

適度な量をバランス良く

 その結果、6カ月後の体重の減少は、通常の食事と比較して糖質制限ダイエットで4・63キロ、脂質を控えるダイエットで4・37キロ、適度な量の栄養素をバランス良く摂取するダイエットで3・06キロ、統計的にも有意に低下しました。しかしながら12カ月後には、いずれのダイエット法においても、通常の食事と比較した体重減少量は1~2キロという結果でした。

 体重減少に対するダイエットの効果は、方法の違いによる差異は小さく、長期的にはその効果も減弱する可能性が示されています。バランスの良い食事という観点からも、炭水化物や脂質を極度に減らすダイエットよりは、適度な量の栄養素をバランス良く摂取できるような食習慣が大切かもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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