マスク一日中着用にリスクはないか 中国では中学生が急死

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 肺には、肺胞と呼ばれるブドウの房状の袋がある。そこに空気を吸い込むことで血液に酸素を送り込み、血液中の二酸化炭素を放出する。

 肺胞の周りには網目状の毛細血管が取りついているが、肺水腫はこの毛細血管から血液の液体成分が肺胞内へ染み出した状態をいう。肺胞の中に液体成分がたまるため、肺での酸素の取り込みが障害され、ひどいと呼吸不全に陥ることがある。

「肺水腫は心臓のポンプ機能が落ちて発症する場合とそれ以外の原因で起きる場合があります。陰圧性肺水腫は呼気を吐き出した後、上気道が閉塞して吸気が入らないため胸の圧力が急激に低下したときに起こる病態です。気密性の高いN95マスクを体育時に着けると呼気はマスクの接着面から出ても、汗でマスクと顔の皮膚の接着力が高まり、マスク面を通した換気ができなくなり、空気を十分に吸えなくなって胸圧が低下して、陰圧性肺水腫が起きたのかもしれません。出血はそれに続く陰圧性肺胞出血の可能性があります」

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