みんなの眼科教室 教えて清澤先生

目からのコロナ感染を防ぐにはメガネかコンタクトレンズか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 4月1日に「新型コロナウイルス感染症の目に関する情報」を発表した日本眼科学会、日本眼科医会は、「新型コロナウイルスは、目の粘膜組織である『結膜』からも感染する可能性があります」と述べ、国民に対して「洗っていない手で目を触らない」「感染を広げないように、目を触った後にあちらこちらを触らない」の2点を守るように促しています。その上で、「コンタクトレンズをはめるときと、外すときに直接目に触れるので、目に触れる前後には十分な手洗いを行ってください。普段通りに、コンタクトレンズの消毒やこすり洗いもしっかりと行ってください。心配であれば、しばらくの間、コンタクトレンズからメガネの装用に替えてもいいでしょう」としています。表現はマイルドですが、やはりメガネを勧めているのです。

 新型コロナウイルスが目から直接感染するかどうかは現時点で明確ではありません。しかし、世界中からの報告によって、新型コロナウイルス感染症の患者のおよそ1~3%が結膜炎になることがわかっています。新型コロナウイルスの感染者の目から出た涙や目を触った手から、感染が拡大する可能性が指摘されているのです。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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