今から対策!「ミネラル入りむぎ茶」で熱中症、血栓を防ぐ

 ここ数年、急激に気温が上昇し、5月だというにもかかわらず30度を超える真夏日を記録することが珍しくなくなってきた。となると気をつけなくてはならないのが「熱中症」だ。熱中症というと夏のものだと思われるが、総務省消防庁の調べでは昨年5月の1カ月間に熱中症で救急搬送された人は4448人。前年(2427人)の約1.8倍にも上り、増加傾向にあるというから事態は深刻だ。そこで今のこの時期からやるべき熱中症対策について調べてみることにした。

■熱中症は“室内”でも注意

 熱中症は高温の環境下で体内の水分やミネラルが不足してバランスが崩れたり、体温調節機能が働かなくなることで体内に熱がこもって発症する。最初はめまいや体のだるさを感じるが、最悪の場合は痙攣や意識障害を起こして死亡することもあるというから油断は禁物だ。実は、熱中症は室内でも注意が必要だ。

 東京都福祉保健局によると、熱中症で亡くなった方の90%以上が室内熱中症とのこと。

 特に夜間は注意が必要だ。その理由は、気密性の高い住宅では、日中の日差しで壁や天井に熱が蓄えられ、夜に放射熱となって室内に流れ込んでくるため、夜間でも室温が下がらないからだ。特に壁がコンクリート造りの場合、熱が冷めにくいので夜になっても室内の温度が下がらない。

 なぜ、今から熱中症が起こるのか。それは、暑さに体が対応していないからだ。熱中症に詳しいノザキクリニックの野崎豊院長はこう話す。

「暑さに体を順応させるためには汗をかける体にすることが大切です。なぜなら、人間は汗をかくことで体温を調節しているからです。ところが、冬から今ごろまでは汗をかく機会が少ないためこの時期はどうしても汗腺機能が低下してしまっており、うまく汗をかくことができません。そこで、真夏のような暑い日があると、体が順応できずその結果、熱中症になってしまうのです」

■熱中症に負けない体づくり「暑熱順化」

 では、熱中症を防ぐための対策はないのか? 本格的な暑さを迎える今のうちから「暑熱順化」(しょねつじゅんか)を獲得して、汗のかける体にしておくことが必要だそうだ。暑熱順化とはあまり聞きなれない言葉だが、暑さに体を徐々に順応させていくことで暑さに負けない体を作ることをいう。その方法は、ウォーキング、ジョギングなどの軽い運動や入浴などで汗をかいて、汗腺機能を高めることが大切なのだと野崎院長はいう。

ノザキクリニック 野崎豊院長
ノザキクリニック 野崎豊院長

■“ミネラル”は体の健康維持に必要な栄養素

 続けて、野崎院長は

「暑熱順化を獲得するにあたり多くの汗をかくため脱水に注意が必要です。運動や入浴で汗をかいた時には水分やミネラルの補給を意識的におこなってください。脱水を防ぐことができるうえ、『暑熱順化』をより効果的に進めることができます。さらにミネラルは体の健康維持に必要な5大栄養素のひとつです。体内では作ることができないため食品や飲料から補給する必要があります」

 野崎院長が推奨するのが、水分とミネラルが同時に補給できる「ミネラル入りむぎ茶」だ。

 野崎院長らの共同研究によると、ミネラル入りむぎ茶にはいくつもの健康効果があるという。その中でもとりわけ注目すべきなのが「血流改善効果」と「体温下降効果」だ。

■「血流改善効果」で“血栓対策”にも

 人は、体内で発生した熱は汗をかくことで体温調整するほか、血液を皮膚に集め、その熱を体外に放出して血液の温度を下げることで体内の熱を下げている。ところが、水分やミネラルが不足して血液がドロドロになると、血液の流れが悪くなり熱を放出できなくなるため、体内に熱がこもって熱中症になってしまうのだ。野崎院長は、

「ミネラル入りむぎ茶には血液をサラサラにしてくれる『血流改善効果』があるため、熱中症対策に効果的な飲料と言えます。また、血液がサラサラになることで、血栓予防にも効果的です。血液がドロドロになることで血栓ができると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性があります。その対策として血流改善効果のあるミネラル入りむぎ茶の飲用は効果的です」

 さらに、ミネラル入りむぎ茶には上昇した体温を下げてくれる「体温下降効果」もある。

「体の余分な熱を奪い体温を低下させる「体温下降効果」は熱中症対策に効果的と言えるでしょう。むぎ茶は医薬品と異なり一般の食品のため、これらの効果は緩やかです。カフェインも含みませんので、お子さまから高齢者、冷え性の方、妊婦の方も安心に飲めるのも推奨する理由です」

■生活シーンや体調に合わせた飲料選び

 ところで、熱中症対策の水分補給飲料というと、スポーツドリンクや経口補水液を思い浮かべる人も多いだろう。それらには一長一短があり、生活シーンや体調に合わせた飲料選びが必要だ。

 たとえば、糖分が多く含まれるスポーツドリンク。吸収されやすい半面、エネルギー消費量がそれほど高くない大半の人には飲みすぎによる一過性の糖尿病リスクや肥満リスクが避けられない。経口補水液は脱水症状に陥った際、医師から指示された場合に限って飲むべきもので、自己判断で予防的に飲むと塩分の過剰摂取になるリスクもあると言われている。

 その点、「ミネラル入りむぎ茶」は無糖で、カロリーもカフェインもゼロなので、誰もが安心して飲める熱中症対策飲料なのだ。

■「点滴飲み」で効果的な水分&ミネラル補給

 さて、ミネラル入りむぎ茶の効果的な飲用方法とされるのが“点滴飲み”だ。野崎院長は水分とミネラルの補給は、一気に行っても血液内に吸収された時にしか効果がないので、1時間にコップ1杯を目安に少しずつ意識してこまめに飲む「点滴飲み」を推奨している。

 特に意識して飲むべき時は、睡眠中は汗をかくため就寝前や起床時、さらに汗をかく入浴の前後などだ。

 注意したいのは熱中症は発症したその日の水分とミネラル不足からなるのではなく、数日前からの不足が原因で発生すること。だからこそ毎日こまめに意識して水分とミネラルを補給する必要があるのだ。

 本格的な夏を迎える前に、暑熱順化を獲得し、熱中症に負けない体づくり行おう。

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