血管・血液を知る

血液と「貧血」<2>進行が遅いと極度の貧血でも症状表れず

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 さらに貧血が進行しますと失神、目まい、のどの渇き、あるいは発汗、脈も弱くなり、呼吸などが速くなる症状が加わってきます。

 重度の貧血でも、とくに脚の血行が悪くなっている人や、肺や心臓に特定の病気を抱えている人は注意しなければなりません。

 運動中にも痛みを伴った筋けいれんが下腿に発生するなど、息切れや胸痛などの症状が表れます。

 対策としてこのような症状を自覚する前に、まず定期的な血液検査です。検査で貧血を見つけることが可能です。治療は貧血の要因によっても異なりますが、症例が多い「鉄欠乏性貧血」は鉄剤を投与することになります。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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